社員が選ぶ 最近読んだ1冊 NO.265
おすすめ人 | この1冊 | こんな本です |
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2024.4.17 |
鳥居をくぐるとき 松波慶次/著 松波ヒューマン文庫 |
私が最近ハマって立て続けに読んでいる作家:松波慶次さんの作品を紹介します。 この本は3作品収録されていて、どの作品も「生きること」について考えさせられるストーリーになっています。 表題作の「鳥居をくぐるとき」は、愛する恋人を突然失った主人公が、彼女と一緒に行こうと約束していた「琴島」で不思議な体験をする話です。 島に向かう船の中で出会った男性から聞いた“島の隠れた伝説”。 「鳥居が出たら気をつけな。」と言われた主人公は、無人島で散策する途中に突然現れた“くすんだオレンジ色の鳥居”をくぐってしまいます。 鳥居をくぐった先で彼が体験したこととは… 心が華やぐような笑顔、生きる力、未来を明るく照らす光を与えてくれた大切な人を事故で突然失った絶望感。 ぶつけどころのない怒りや悲しみ。 “残された方が辛いから、自分が代わりに命を落とせば良かった”という正直な思い、“自分と付き合わなければ、彼女は死なずに済んだのではないか”という答えのない自問自答が、切ないくらい心に沁み込んできます。 “残されるのは寂しすぎるから、先か一緒に逝きたい”と、パートナーに対して思うのは私も一緒です。 この作家さん、最初は男性だと思って読んでいたのですが、実は女性の方です。 小説を出版するという夢を叶えるために安定した仕事を辞め、自費出版されているのですが、今まで出版した7冊のうち、この作品を含めた6冊が電子書籍のみになっています。 面白くてあっという間に読み終わってしまう作品ばかりですので、電子書籍を愛用している方、これから利用したいと思っている方は、是非探してみてください。 出版者のサイト |