社員が選ぶ 最近読んだ1冊 NO.262
おすすめ人 | この1冊 | こんな本です |
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2023.9.13 |
わたしのわごむはわたさない ヨシタケシンスケ/作・絵 PHP研究所 |
今回オススメするのは、「もうぬげない」や「りんごかもしれない」などで人気の絵本作家・イラストレーター ヨシタケシンスケさんの作品です。 ヨシタケさんの作品はタイトルがとてもユニークで、思わず手に取りたくなるようなイラストも、一度見たら忘れられなくなります。 「わたしのわごむはわたさない」も、“どういう意味だろう?”と気になって手に取りました。 主人公の幼い女の子は、家の中でごみ箱の近くに落ちていた輪ゴムを拾いました。 女の子はお母さんに「ねぇ、このわごむ、わたしにちょうだい」と聞いて、“わたしだけのもの”を手に入れます。 女の子は、お兄ちゃんのおさがりや、お友達と一緒に使うおもちゃではなく、自分だけのものを持つことに憧れていて、誰のものでもない“わたしだけのわごむ”を好きに使っていいことに、大きな喜びを感じます。 大切な輪ゴムを片時も離さず、一緒にお風呂に入ったり、一緒に眠ったり。 その輪ゴムを使えば何ができるか、女の子の想像とワクワク感はどんどん大きくなっていきます。 そして、最後に女の子は輪ゴムを… 主人公の女の子の宝物となる輪ゴムは、傍から見たら“どこにでもあるただの茶色い輪ゴム”です。 “なぜそんなものが宝物?”と思いがちですが、宝物=高価、美しいもの、レアなものとは限りません。 “人によってモノの価値観は全く異なる” それがこの本のテーマだと思います。 女の子の輪ゴムに対する溺愛っぷりや、輪ゴムひとつでこんなに夢が広がるの?!と感心してしまう豊かな想像力。 ヨシタケさんの絵本は、年々頭が固くなっている大人(私)に驚きや刺激を与えてくれる作品ばかりで、何よりも子供の体形や表情の描き方がとても愛らしくて、クスクス笑いながら読んでしまいます。 出版者のサイト |