社員が選ぶ 最近読んだ1冊 NO.258
おすすめ人 | この1冊 | こんな本です |
---|---|---|
2023.3.28 |
悪いものが、来ませんように 芦沢央/著 角川文庫 |
幼子を抱えながら、母親や夫との関係が上手くいかない奈津子。 助産院に勤めながら、夫の浮気と不妊に悩む紗英。 誰もが抱えがちな悩みやコンプレックスを持つ二人は、家庭がありながら共に過ごす時間が長く、お互いを心の拠り所にしていた。 そんな中、紗英の夫が他殺体で見つかったことで、二人の関係が大きく崩れていく… この作品は、奈津子と紗英の視点、二人の関係者の証言で構成されています。 二人が普通の友人関係に見えないことや、時々異常に感じる強い共依存関係が数々の違和感を生み出し、頭をモヤつかせていきます。 奈津子が同性愛者なのか?と推測するも、“何かが違う…”とスッキリすることなく紗英の夫が殺害され、二人の関係性だけではなく、殺人事件にも気を取られます。 関係性も事件も最後にどんでん返しが待ち受けていますが、途中で“あれ?もしかして…”とひらめき、違和感があったページをめくり返したことで、関係性だけは解明することができました。 自力で謎が解けるのは気持ちが良いですよね。 真相を知った後でもう一度読み返すとタイトルの意味も分かり、面白さが増す作品になっています。 伏線の多いミステリが好きな方にはオススメですが、イヤミス作品が苦手な方には少し辛い内容かもしれません… 出版者のサイト |