社員が選ぶ 最近読んだ1冊 NO.216
おすすめ人 | この1冊 | こんな本です |
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2015.9.20 |
「デイビッド・コパーフィールド」 チャールズ ディケンズ/著 石塚 裕子/訳 岩波文庫 |
「クリスマスキャロル」を書いた19世紀の作家ディケンズの自伝的小説です。 岩波文庫の全5巻。なかなか読み手がありました。 デイビッドの誕生から、物書きとして一人前になるまでの小説です。 こういう生い立ちがあり、こんな人間に囲まれてきて人間観察に優れた作家が出来上がるのだと豊かな感性が育っていく経緯、感性の豊かさに感じ入りました。 良い人はたくさん出てきますが、良い人ばかりは出てきません。 悪者たちの悪者ぶりが、本当に憎たらしく、それでも人間らしく、ほほえましく・・・。 挿絵を見ていると、今から百年以上昔の作品なんだと、その人物の服装などから見て取ることができ、挿絵を1つ1つ見ていくのも楽しい本でした。 逆に挿絵がなければ、百年以上昔の話とは信じられません。 上手な物語は時代を超越するのかもしれません。 イギリスからオーストラリアへ移住する人々も描かれています。 作品中ではオーストラリアは未開の新天地、明るく陽気な人物たちが移住の対象として書かれている様子はさもありなんと思いました。 5巻の長編、出てくる人物たちがまるで私の家族のように感じられ、読後も人物が懐かしく思い出されます。 出版者のサイト |