社員が選ぶ 最近読んだ1冊 NO.211
おすすめ人 | この1冊 | こんな本です |
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2015.7.6 |
イノサン 坂本 眞一 集英社 |
18世紀フランス・パリ。新しい時代を求め、人々が革命に沸いていた。 自由で平等な社会を作るため、フランスは王族制度の廃止を決定。 王族・貴族は死刑にかけれられることになる。 この作品は、その死刑執行を行った実在の人物・シャルル=アンリ・サンソンを題材にした漫画である。 ルイ16世をはじめ、マリーアントワネットやロベス・ピエールをも処刑したという彼が如何にして死刑執行人となっていったかが描かれている。 必要な職業だとはいえ、「死刑執行人」は人々からは忌み嫌われる。 何より、どんな理由があるにせよ「殺人」は「殺人」、そんなことはしたくない。 だが、死刑執行人一族に生まれると本人の意思とは関係なくその跡を継がなければいけない。 人一倍「イノサン(純粋)」な主人公が葛藤を抱き、傷つきながらも少しずつ死刑執行人として成長していく姿が痛々しい。 でも続きが気になって読まずにはいられない。 処刑のシーンも繊細な絵で細部まで描かれており、残酷なシーンのはずなのに美しいと感じてしまう。 作中の死刑を見物している民衆と自分は変わらないのかもしれない。 出版者のサイト |