社員が選ぶ 最近読んだ1冊 NO.187

おすすめ人 この1冊 こんな本です
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2014.6.24


大尉の娘

プーシキン

岩波書店
テレビのロシア語講座を見ていたら、ロシアの詩人プーシキンの紹介コーナーをやっていました。

プーシキンは、19世紀前半、ナポレオンの少し後位の時代、貴族の詩人です。
時代に対し革新的な考えを持っていおり、その考えを詩に発表するので、いろいろと敵の多い人物でありました。
プーシキンはいろんな事情で決闘をするのですが、決闘はいつも負け知らずでした。

ある時、プーシキンは妻を陥れる罠を仕掛けられます。
プーシキンは妻の名誉を晴らすべく、決闘をします。自分は決闘に負け知らずだから絶対大丈夫と言って。
しかし、プーシキンは決闘の数日後、決闘の怪我がもとで死んでしまいます。

ロシア語講座によると、プーシキンはそんな人物でした。

そんなプーシキンの小説『大尉の娘』。
ものすごく面白い小説でした。翻訳がうまいのもあるかもしれません。 テイストとしては、『三銃士』とか『ドン・キホーテ』とかを思い出しました。

大尉の娘に恋した貴族のお坊ちゃんが、自らの名誉と彼女への忠誠を盾に、戦い進む話です。
とても読みやすい『大尉の娘』ですが、舞台は実際に起きた反乱、プガチョフの乱。帝政ロシアのやり方に対する、プーシキンの政治的見解が垣間見られます。

いずれこの後、帝政ロシア崩壊に向けて時代は進み、文学界ではトルストイやドストエフスキーに繋がるのでしょうか。 ロシア文学論には無知ですが…。

決闘が原因で亡くなったプーシキン。
激動の時代に向かうロシアに生き続けていたら、プーシキンは何を思い、何を書いたことでしょう。


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