社員が選ぶ 最近読んだ1冊 NO.125

おすすめ人 この1冊 こんな本です
Hさん
2012.11.1


ピース

樋口有介

中央公論新社
「この表紙・・・よーく覚えておいてください。あとであなたはぞっとするはずです。」
人々が笑いながら指でピースサインをしている表紙とともに飾られた書店POP。

へえ、とうとう樋口有介さんがヒット作を書いたのね~!と図書館から取り寄せたところ、以前、表紙の違う単行本で読んだ作品でした。文庫化で、表紙を変えて書店POPで大々的に売り出したのですね。

前回読んだときもミステリー構成はイマイチながら(動機や伏線がゆるく、こじつけ感が残る)、独特のムードと空気感は気に入りました。
他の樋口有介作品も、ミステリーとしての結果を楽しむのではなく、それぞれの人間が秘密や事情を抱えながら生きていく、人間本来の孤独感をセピアな色調で書き上げていくといったイメージを受けています。

ネットの批評では「書店POPに騙された!」という感想が多いようです。
明快な謎解きを求めると確かに消化不良化かも・・・。
でも個人的には、樋口ワールド、好きです。

それにしても、書店POP、上手に作るものですね。
これって、書店が作るのではなく出版社が書かせるのかなあ!?

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