社員が選ぶ 最近読んだ1冊 NO.076

おすすめ人 この1冊 こんな本です
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2011.12.9


「族長の秋」

ガルシア・マルケス(著)
鼓直(訳)

集英社
ノーベル文学賞を受賞しているコロンビアの作家、ガルシア=マルケスの作品「族長の秋」を紹介します。

中南米の架空の国の独裁者である大統領の話です。

大統領を取り巻くエピソードが次々と展開されます。正体不明の腐敗した死体が発見されるところから始まりますが、その死体が大統領なのか、そもそも大統領はいつ生まれいつ死んだのかも定かではありません。
それは独裁者であるが故なのです。

大統領の数々の悪行、蛮行、奇癖がさまざまな人の口から語られます。しかしそれらは大統領の側に立つ人間により書かれており、その人物像はどこか憎めず、おかしく、明るいのです。
語り口も書かれている内容も文体も、全てが混とんとして不思議な、それでもとても惹きつけられる作品でした。

今年2011年はいくつかの国々で反政府勢力が政権を覆した年でありましたが、「独裁者」をキーワードに、考えるところの多い本でした。

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