社員が選ぶ 最近読んだ1冊 NO.074
おすすめ人 | この1冊 | こんな本です |
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2011.11.2 |
「或る女」 有島 武郎 岩波文庫 青空文庫 |
明治三十年代にあって、恋も結婚もすべて自らの本能のままに支配し、望むものを必ず手に入れて生きる美女、葉子の物語です。 自らの信念を貫き生きることで払う代償は当時であればなおのこと大きく、挫折を繰り返しながらもしかし、どんどんパワーアップして人々を手玉にとって行く姿にちょっと感動すら覚えました。 しかし、全身全霊で一人の男性を愛したとき、歯車が狂い始め、葉子は転落していきます・・・。 現代の世の中ならこういう女性、いそうですけどね。 現代なら「或る女」と言えますが、明治時代にあっては葉子は「或る女」ではなかったと思います。 「早月葉子、その人生」というタイトルを付けてもよいくらい・・・。 物語の舞台として、横浜がたびたび出てきます。明治時代の港町、横浜。紅葉坂の旅館など、当時の様子を思い浮かべて読みました。 青空文庫「或る女」 出版者のサイト |