社員が選ぶ 最近読んだ1冊 NO.069
おすすめ人 | この1冊 | こんな本です |
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2011.10.24 |
「変身」 フランツ・カフカ作 高橋義孝/訳 新潮文庫 |
グレーゴル・ザムザ。 若いながらも病弱な両親と学生の妹を経済的に養っている親孝行で妹思いの青年。しかしこの青年は、ある朝起きたら巨大ムカデになっていたのです・・・。 虫になってしまうことも衝撃的ですが、家族の反応も私には衝撃的でした。 例えば私の息子が朝起きて巨大ムカデになっていたとしても、多分私は 息子の部屋にムカデの姿を確認に行くし、ムカデが言葉を理解するか確かめてみると思います。 少なくともたまに見るだけで気絶はしないかと・・・。 一家の働き頭を失ったザムザ家。 家族は少しずつ経済的にも精神的にも自立していきます。 グレーゴルがムカデにならなければ一生彼にもたれかかった生活をしていたと思われるのに、この悲しい出来事を境に彼らは活力を見出していきます。 グレーゴルはなぜ虫になってしまったのでしょう。原因はなく、ただ事実が淡々と述べられていきます。読み方によっていろいろな解釈のできる作品なのでしょう。 カフカ自身の生い立ちとの比較した解釈もできるようです。 出版者のサイト |