社員が選ぶ 最近読んだ1冊 NO.061
おすすめ人 | この1冊 | こんな本です |
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2011.9.1 |
「日本いまだ近代国家に非ず 国民のための法と政治と民主主義」 小室直樹 ビジネス社 |
私の好きな著者の一人。 資本主義の精神、民主主義とは、太平洋戦争で米国は学んだが、日本は学んでいないと、本書のテーマである"空気様"などが記憶に残っている。 昨年の9月に亡くなり本書はその遺稿で、平成6年「田中角栄の遺言」(クレスト社)の復刊。 以下本書よりの抜粋。 何事も"空気様"の言う通り。 このことこそ本書のテーマでもあり、本書全体を以ってこれを論じていきたい。 それにしても、日本における空気の暴威の凄まじさ。 此処のところを確と腑に落とし込んでおかないことには、何もかも理解不可能になってしまう。 この空気により、支那事変、太平洋戦争、田中角栄事件などが起こった。 昭和15年3月7日、斎藤隆夫代議士が支那事変に反対し除名された日から日本の議会政治(立憲政治)の日は消えた。当時は主戦論の空気が占めていた。 立憲政治、進んで近代デモクラシーが生息し得るための必要条件とは何か。 議会政治が機能することである。即ち議会における討論を通じて国策が決定され、議会によって法律が作られることである。 最早、日本は立憲国家ではない。 現在の日本の繁栄が、角栄に負うことが如何に大きいか。 まだ指摘されていない功績は、角栄こそが、唯一人のデモクラシー政治家であることである。 彼以降、デモクラシー政治家は現れず、官僚が書いた原稿の棒読みばかりが、余りにも屡々テレビでも見せつけられ、国民はいつしか呆れ果てるのも忘れ、政治家は役人の木偶だと諦めてしまった。 国民が勉強しない限り、何回でも、同じ繰り返しをすることになるでしょう。 出版者のサイト |