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おすすめ人 この1冊 こんな本です
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2018.10.24


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「血脈」

佐藤愛子/著

文春文庫
佐藤愛子さんの私小説「血脈」
「ちいさい秋 ちいさい秋 ちいさい秋 みーつけた」
「あかりをつけましょ ぼんぼりにー」
簡単な言葉ひとつひとつに、情緒と優しさが詰まった童話を数多く残した詩人のサトーハチローさんは、なんと愛子さんのお兄様なのです。

そして、愛子さんとハチローさんの父上は、大正時代の著名な小説家。まさに、血は争えないです。

この佐藤家の「血」は物凄く、父上の紅緑さんのやくざで破天荒な生き方、周囲の人間を一人残らず傷付け、我を通し、それでもものすごいカリスマ性を持ち人を引き付けてやみません。
4人の息子たちは全員、見事な不良な輩、生活力ゼロの人間に成長します。

唯一生活力を身に着け成功した長男のハチローですが、父をさらに上回った怪傑です。
父よりもっと周囲の人間を傷付け、我を通して、やはりカリスマ性がありました。

「ちいさい秋 ちいさい秋 ちいさい秋 みーつけた」
この人からどうしてこんなにやさしい言葉が生まれるのでしょう。
こういうのを天才というのでしょうね。

著者の愛子さんは、関係者のほとんどが亡くなった今だからこそ書けると、佐藤家の脈々としたこのものすごい「血」について分厚い本3冊に書き綴りました。
読むのにも一苦労する作品、書くのにどんな身骨を砕かれたことだろうと思います。

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