社員が選ぶ 最近読んだ1冊 NO.086

おすすめ人 この1冊 こんな本です
SKYさん
2012.2.2


「イワンの馬鹿」

トルストイ 訳:菊池寛

青空文庫
子供のころに絵本で読んだ童話、大人になってから読み返すことはあまりありませんが、青空文庫を使って気軽にちょっと読み返す、そういう機会ができたことは素直にうれしいです。

戦争好きの長男と贅沢好きの次男、畑仕事しか能のないまじめで実直で「馬鹿」と呼ばれる三男のおはなし。
それぞれ一国の王となりますが、長男・次男は悪魔の誘惑に負けて失脚し国を追われます。
馬鹿の三男だけは自給自足に充足感を感じる「馬鹿な」国民たちとひたすら地道な平和な毎日を送り、そこに幸せを感じます。
三男の国にも悪魔がやってきて「手足ではなく頭を使えばもっと幸せになる」とそそのかしますが、頭を使うことの意味に気付かず受け流します。
三男の国民になれる条件は「手がゴツゴツであること」。三男の国民は悪魔の声にも振り向かず、働き、食べ、寝て、幸せに生きるのでした。

大人になってからの寓話は、なかなか良いものです。道徳的だけでない意外な驚きが見つかりますよ。

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